起業一年目の現実
2020年7月〜10月
2020年7月22日、株式会社フードコーナーを登記した。
この日は2020年オリンピックの開会式の前日、競技のスタートの予定日だった。
残念ながらコロナでオリンピックは延期になり、世間が重たい空気の中、フードコーナーはひっそりスタートした。
2020年7月22日は先勝 寅の日ということもあり、この日を選んだ。
寅の日は吉日の中で、最も金運に縁がある「金運招来日」ともいわれているので会社を始めるにはちょうど良い日だったと思う。
とはいうものの、その時はまだ前職に就いたままだったので会社として実態は何もなかった。
この間何をしてたかというと、兄とメンバーと株式会社フードコーナーのあり方、Missionなど徹底して話し合っていた。「自分たちが本当に何がしたいのか?」「何をすべきで、何ができるのか?」「そのやろうとしていることは社会に何をもたらすのか?」「事業性はあるのか?」「市場規模は?」「なぜ今やるのか?」「なぜ自分たちがやるのか?」について。
その結果決まったMissionがこちらである。


そして、食品業界として課題と感じている部分。そのためにどのように事業を行っていくのかについてはこんな感じ。


そして、時間を費やしたのものがもう一つ、商品名と商品パッケージである。
初期のパッケージは僕自身がデザインしたため、ある意味素晴らしい出来だった。よくやったなとは思う笑
カレーを今までにない形で表現したく、正方形を使いこのロゴが完成した。
これが今のロゴの元となっているので、この時間は無駄ではなかったと思う。

またクラフトカレーという名前をつけたが、これは僕ら兄弟がブリュードッグが好きであるということがきっかけとなった。ベッドで寝転びながら「BUSINESS FOR PUNKS」を読み直しているとき(3周目)に「クラフトカレー」というワードを思いついた。すぐ兄に「クラフトカレー」にしようといったのを覚えている。
その前の候補は「華族のカレー」が最有力候補だった。「クラフトカレー」思いついてよかった笑
クラフトカレーの事業を始めるきっかけはまた別のnoteで書こうと思う。
2020年11月〜1月
フードコーナーとして事業をスタートしたのは2020年11月3日Makuakeでのプロジェクトだ。
クラフトカレーを販売していく上で、その市場調査と資金調達を目的として開始した。

結果としては上々に見えるが、実際はインスタントカレー(ルーカレー、レトルトカレー)で一番を狙っていたので、そこに40万円ほど届かなかったことに悔しさがあった。ルーカレーではNo.1ですが。このとき改めてPC、スマホのディスプレイ上で伝える難しさを知った。
一方で周りの応援してくれる人がたくさんいることに気づくことができ、事業やる上でそのような方々を大事にしていかなければならないと心底思えたことは大きな成果と言える。
また、クラウドファンディングをみてTIMELINEという国内最大級の動画メディアに取材いただいた。その動画は2.8万再生にのぼる。その担当だった菊池さんと石川さんはクラフトカレーを気に入ってくれ、今でも購入してくれているし、あったりもする関係が続いている。こんな早い段階で目をつけてくれたお二人には必ずその目は正しかったと証明する形で恩返しをしたい。
TIMELINE 野球少年だった兄弟が二人で起業!手軽で絶品な『クラフトカレー』とは?
https://www.facebook.com/watch/?v=1839271436223779
さらにこのとき、同時進行でMakuake後の対応に追われまくっていた。
まず、HPの立ち上げ、ECサイトの立ち上げ、発送対応、同封物の作成、ECサイトへの誘導。何もわからないながらに人に聞き、本を読み、行動し、がむしゃらにやってみた。
結果、上手くいったとは言い難いかもしれないがあの時の最善は尽くしたと思う。
過去の記事でHPの立ち上げ方とECシステムを選んだ理由について書いているのでそちらもぜひ。
素人社長が自社HPを制作した方法
https://note.com/foodcorner2020/n/n77d1ebad0332
ECカートシステム何が正解?
https://note.com/foodcorner2020/n/n22fb0007a0b4
同封物の作成は自分たちで行い、LINE登録を促す施策として遊び心を持って謎解きを出題した。これは以外と上手くいって参加者も多く、盛り上がった。(最近できてないな。。。遊び心持っていこう)
〜LINE登録のための施策〜
1. 同封物に「怪盗Kからの挑戦状」と題して、LINEアカウントを乗っ取られたので取り返して欲しいというLINEでのイベントを告知する
2. イベント参加のためお客様はLINEに登録する
3. 指定した日にLINEで「怪盗Kからの挑戦状」の謎解きを出題→この際、正解者から数名に協力報酬としてプレゼントをする
4. お客様はイベントを楽しみつつ、LINE登録をしてくれた
2021年2月〜4月
ECサイトの立ち上げが2021年2月になってしまった。商品の発送が1月初めからだったのでここに間に合わせられなかったのは一つ痛手だったなあ。
また、高度なECシステムをはじめから使ってしまい、使いこなせずに2ヶ月ほど4月中旬に別システムに切り替える作業が発生したのは結構大変だったなあ。良い勉強になったけど高い授業料だった。。。
ちなみに詳細は上記にリンクを貼った「ECカートシステム何が正解?」で載せてるよ。
そしてもう一つ大きな失敗があった。それは雑誌広告である。30万円ほどかけて出した雑誌広告の効果はほぼゼロだったに等しい。有名芸能人が表紙という営業ワードにやられた。教訓となる経験ではあったな。。。
またこの時期は出資してもらえる、その代わりに共同で事業をやっていこうという提案をセブンリッチからいただいたりして、事業の方向性、進め方についてめちゃめちゃ悩んだ時期でもあったな。。。
人も信頼できるし、事業成長スピードも上がることは見込めたし、この上ない話だったと思う。けどある意味、起業の楽しみみたいなものがなくなってしまう恐怖も隣り合わせであった。
結局、自己資金で自分たちの手で進めていく選択をしたんだけど。
その時の選択肢は「(ワンピースの)白髭海賊団の傘下に入り、猛者だらけの中で揉まれて強くなり懸賞金もすぐ上がる。」か「麦わらの一味を作り、自分で仲間をみつけて共に成長していく。」の二択で、結局麦わらの一味を作りたいという欲が勝った。
若く愚かな選択だったかもしれないけど後悔はしてないよ。
ロゴを修正したのもこの時期だったと思う。
あまりにシンボルマークが再現しづらかったので、規則性をもったマークに変更。さらにルイヴィトンと同じフォントを使うようにした。
この時も結構話し合い、意見が割れたりしながらもこの形に落ち着いた。
ちなみにこのロゴも角田憲吾作です。これは結構イケてるよね?

2021年5月〜6月
ずっと取り組んでいたクラフトカレーの無添加化ができたのもこの時期だったかな。本当に角光化成の開発メンバーの皆様には感謝しきれない。はっきりいってカレー界の革命だよ。
このタイミングでブランドリニューアルを図るために、株式会社スタディーズの榊原さんに相談した。実は榊原さんはクラフトカレーを定期購入してくださってて、1回目から定期購入を選択した珍しいお客様だったので、調べてみたら事業デザインやシード期の投資をされていることがわかったので、これも縁だと思い連絡してみた。
これが良縁だったことは新パッケージなどをみていただければわかると思う。
商品名も「ザ・クラフトカレー」から「クラフトカレーブラザーズ」に変更し、ロゴも新調した。


ちなみデザインは榊原さんのパートナー的存在のMY HEADこと宮崎さん、様々な賞を獲得しているスーパーデザイナーである。
榊原さんに僕らの潜在的に表現したかった部分を引き出され、ブランドの方向性などが定まっていった。
そして商品テーマとして「インスタントカレー2.0」を確立した。





8月7日からDean&Delucaで販売開始してるんだけど、この取引が進んで行ったのものこの時期でこれはゼロベースからの営業だった。
しかし、そのレスポンスのスピードは本当に早く、問い合わせをしてすぐに電話をいただき、トントン拍子で取引につながった、やはり新しい商品への感度や嗅覚はは他と比べても頭ひとつ抜けていると思う。だからこそあれだけのブランドを作り上げているのだと感じた。

とざっと書くとこんなところだろう。
書ききれないことが多すぎるが。それはまた別で書いていこうと思う。この一年、素敵な方々の出会いが多すぎた。自分で会社をやるということは良くも悪くも会社の社長として見られる。つまり、会う人の質も当たり前だが上がっていく。
これから起業したいと思う人に伝えたいのは「早く行動した方が良い」ということ。そして、「思っているより輝くしくない」ということ。それでも自分を疑わず志を持って突き進める、それを楽しめるM気質な人が起業家に向いていると思う。僕らの会社は1年目赤字だったし、まだまだやりたいことの1%にも達していない。それでも0から0.1でも数字が積み上がったのも事実だ。
以上、起業一年目の現実でした。
ちなみに7月行ったクラウドファンディングもたった1ヶ月で300万円近く応援購入いただける結果となったし、まだまだクラフトカレーが広がってく種を持っているので、今期はそれをしっかり成長させて花咲かせたいと思う。乞うご期待!

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