ペッパー

ペッパーはコショウ科コショウ属のつる性植物。いわゆる日本人に馴染みのあるコショウです。実を乾燥させて調味料のコショウにします。
種類はブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパーがあり、全て同じ木の実です。種類が違うわけではありません。収穫時期、加工方法の違いにより、種類が分かれるようです。
ややこしいのは、レッドペッパーやピンクペッパーというものが存在することです。しかし、これらどちらもペッパーいわゆるコショウとは関係なく、ピングペッパーはコショウボクという木の実を乾燥させたものです。

コショウボクの木
また、レッドペッパーとは英語で唐辛子のことを指します。インドにはコショウをはじめとする貴重で高価な香辛料がたくさんあったことは他の記事でも説明してきました。そしてレッドペッパーを発見したと言われる人物はコロンブスです。コロンブスがインドを目指して辿り着いた先がアメリカだったことは有名ですよね。。ペッパーを求めて航海に出たコロンブスがアメリカで発見したトウガラシを「レッドペッパー」だと半ば強引に名付けたことが今の名称になっているのです。ペッパーとは全く関係ないのにレッドペッパーなのはこのコロンブスの間違いまたは見栄の結果だったのですね。
ペッパーの歴史

ペッパーについて一番古い記録は今から約2500年前(紀元前500年)のもので、古代ギリシャで薬として使用されていたようです。また、食用としても使われており、かつてヨーロッパでは食肉を塩漬けにし保存し、冬の間食べていました。しかし塩漬けだけでは肉の臭みはとれません。冷蔵庫などはもちろんない時代、味付けや臭みをなくすため、保存のためにに欠かせなかったのがペッパーだったようです。
ペッパーに入っているピペリンという物質は抗菌、防菌、防虫作用があります。料理だけではなく、航海において食料品の保存にも使われていました。
そのころヨーロッパには続々とインドからコショウが入ってきました。とはいえまだまだ効果、貴重なことには変わらず、市場では1粒単位で扱われ、ペッパー一粒は銀貨一枚は同等価値で取引されていました。
ペッパーが日本来たのはヨーロッパから中国へ、中国から日本へと渡ってきました。奈良の正倉院の御物のなかにコショウがあったことから8世紀には日本に伝来していたことがわかっています。
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