小麦粉の歴史
小麦や大麦は人類最古の作物のひとつとされ、およそ1万5千年前から1万年前には小麦はすでに栽培されていたと考えられております。この人類最古とも言われる栽培植物である小麦が小麦粉として食べられるようになったのは約5千年前とされています。

当初は麦や雑穀類の混ざったものを、石と石の間にはさんで砕いてから焼いて食べていました。その後、土器が生まれると粗挽きにした麦をお粥のようにして食べたと言われています。
文明の行くところ小麦ありと言われるように、小麦を食べる人々、すなわちヨーロッパや中東の文明が世界に広がるにつれ、インドを経て、中国に伝えられるなど小麦文化もまた拡大していきました。
パンの誕生
今から約5千年前(紀元前3,000年頃)の古代エジプトでは、すでに平たい石の皿に小麦の粒を入れ、その上から体重をかけて石ですりつぶすサドルカーンという石臼で小麦を挽き、それに水を加えてよくこねて、パンを焼いていたようです。

画像元:世界ギネス記録
しかし世界最古のパンはエジプトではないことがわかりました。
2018年にヨルダン北東部の「黒砂漠 Black Desert」のシュバイカ1号遺跡Sで発見されました。1万4000年前の遺跡ですので、パンはヨルダンからエジプトに伝わったと考えられます。
今のふっくらしたパンになったきっかけは怠惰な人のせいだったのです。
あるとき、こねた生地をすぐに焼かないで放っておいたら、生地が大きく膨らみました。暑い国のことなので、空気中の微生物の中に天然酵母が入っていたものと思われます。
試しにこれを焼いてみると、これまでよりも柔らかく、美味しいパンが焼けました。これが私たちが普段食べている発酵パンの誕生だと言われています。
パン以外にも今でも食べられる発酵食品は置き忘れなどによる失敗から出来上がっています。シャンパンしかり、納豆しかり。
今回は小麦粉の健康面への影響の前に歴史について書いてみました。
これには理由があって人間の遺伝子レベルで小麦粉は受け入れられてきたのかどうかという部分は身体への影響に少なからず関係してくるからです。

人類にとって小麦粉は最も食べられてきた穀物かもしれません。そんな小麦粉はなぜカレーに入っているのか、そして身体に良いのかどうか。次回以降に書いていきます。
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