今回はカレーと健康 油脂編ということで、油脂と聞くとなんか身体に悪そうと直感的に感じる方も多いかもしれません。
しかし、実は油脂(脂質)というのは身体にとって重要な役割を果たす上、私たち日本人は常に足りていない状態なのです。
実は「脂が身体に良い」「脂が不足している」「積極的に摂らなければならない」という研究データが次々と出てきているのです。
ひとくくりに油脂と言っても様々な種類があります。
今回はその脂の種類とその中で何を摂るべきなのか、その脂にはどんな効果があるのかをお話しします。

口から食べた脂質は最終的に脂肪酸とモノグリセリドという物質に分解されます。このうち重要なのが脂肪酸です。
では、脂肪酸とはどんな働きをするのでしょうか。
まず、細胞の膜(細胞の内と外を隔てるとても重要な役割を果たす)に使われます。そして、ホルモンやプロスタグランジンという情報伝達物質になります。さらに、脂肪を分解する胆汁にも使われます。
細胞の膜は人体に37兆個あり、それを作るのに脂肪酸の役割は必要不可欠なのですが、日本人はそもそも脂質が足りない傾向にあります。
脂質を抑えるという行為は健康を害することになることが最近の研究でわかってきています。

そんな人にとって重要な役割を果たす脂肪酸は大きく二種類に分けられます。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。さらに不飽和脂肪酸は一価脂肪酸と多価脂肪酸に分けられ、さらにさらに多価脂肪酸はn-6系(オメガ6)とn-3系(オメガ3)にに分かれます。
飽和脂肪酸はバターやラード、動物性の脂肪に多く含まれています。
一価不飽和脂肪酸の代表格はオリーブオイルです。
n-6系はコーン油やひまわりオイルに多く含まれ、n-3系はアマニ油やえごま油、青魚(EPA、DHA)があげられます。

画像元:Lourand
最近よく取り沙汰されるのが、最後のn-3系でしょう。青魚のEPAやDHAは血栓形成を抑制する効果があります。
対照的に肉の多く含まれる飽和脂肪酸はコレステロールを上昇させるので、あまり摂らないほうが良いと悪者扱いされてきました。
しかし、最近の研究では反対に食べたほうが良いを示すデータが多く出てきています。
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